複雑性PTSDという病気のこと

「過去にこだわってるだけ?」
「そろそろ忘れたら?」
「親を赦すと楽になれるのに」

そう言う人がきっとたくさんいるんじゃないかって、思ってしまいます。
特にSNSなんかを見ていると、性被害にせよ、虐待にせよ、世の中というのは被害者にあまりに冷たい。

でも、複雑性PTSD(C-PTSD)は、心の弱さとか、過去への執着とか、そういう“気の持ちよう”でどうにかなるものじゃないんです。

これは、神経系の不調が深く関わってくる「身体の病気」でもあるということを、少しでも知って欲しくて、ちょっと解説してみます。


PTSDと、複雑性PTSDのちがい

いわゆるPTSDというのは、災害や事故、暴力などの命の危険を感じる出来事のあとに起こる反応です。

たとえば:

  • 急に記憶がフラッシュバックして、その場に引き戻されたように感じたり(侵入)
  • 小さな音にもビクッとして眠れなくなったり(過覚醒)
  • 思い出すのが怖くて、場所や人を避けてしまったり(回避)

でも、複雑性PTSDの場合、それだけじゃありません。
もっと長い時間、もっと根深い傷が、脳にダメージを与え、心と身体の土台そのものを揺るがしてしまうのです。


「自己組織化の障害」ってなに?

ちょっと難しい言葉なんですが、複雑性PTSDには「自己組織化の障害」と呼ばれる3つの特徴があります。

🌀 否定的自己概念
 どれだけ頑張っても「自分には価値がない」と感じてしまう。褒められても、心に届かない。

🌊 感情のコントロールが難しい
 突然涙が出たり、怒りのスイッチが入ったり、感情の波が激しくて、自分でも困ってしまう。

🌪 人と親しくなるのがこわい
 信じたい気持ちはあるのに、どこかで「どうせ離れていく」「傷つけられる」と感じてしまう。安心が難しい。

わたし自身、いまだにこれほぼ全部あります。(怒りのスイッチだけはほとんど入らないけどw)
でも、「これは性格じゃなくて症状なんだ」って知ってから、ほんの少し優しくなれました。


長く続いた、逃げられないストレスが原因

複雑性PTSDの原因は、「一度の衝撃的な出来事」ではなく、長期間にわたって逃げられなかったストレスの蓄積です。

たとえば、子どもの頃の家庭での虐待や支配的な関係。
心も身体もずっと緊張状態のままで、休むことができなかった…。

その結果、HPA軸(視床下部―下垂体―副腎系)というストレス反応を司る神経系が影響を受けて、
交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまう。

そうなると、
・頭がぼーっとする
・息がうまく吸えない
・身体がガチガチに固まる
・過去の出来事が勝手によみがえる
…そんな症状が、「日常」に出てきます。


「こころの問題」じゃなくて「神経の反応」

もちろん、心も傷ついています。
でもね、C-PTSDの根っこにあるのは、「こころの弱さ」じゃなくて、神経の傷なんです。

「なんでこんなことで?」って思うような小さな刺激にも、身体が勝手に反応してしまう。
それは、自分の意志ではコントロールできないものなんです。


わたしのような人が、他にもいるかもしれないから

この病気のことを、少しでも分かりやすく伝えたいなって思いました。
もし、同じような感覚を抱えている方がいたら、
「あなたのせいじゃないよ」って伝えたい。

そして、ちゃんと理解してくれる人が、ひとりでも増えていったらいいなって。
わたしもまだ道の途中だけど、
一緒に歩いていけるなら、嬉しいです。

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